男たちはただひたすらに鉄を叩き続けた…!
150年の歴史を持つタークフライパンの魅力に迫る!
ドイツはマイナーツァーゲンの山あいに佇むターク工場…
ここでは100年以上、鉄を叩く音が鳴り響いています。
ローマ時代から変わらないフライパン製造方法。
それは「熱した鉄をひたすらに叩く」シンプルなもの。
必要なのは1本のハンマーと鉄に負けない屈強で逞しい身体。
150年守り続けてきた伝統にテフロン加工技術は不要でした。
タークのフライパンが世界中の料理人に求められる理由は何か。その魅力に迫ります。
タークフライパンの製造工程
鉄を熱してハンマーで叩く、そうして形を整えることを「鍛造」と言います。
1本の鉄柱を叩き上げて作るタークフライパンには取手と焼き面に継ぎ目がありません。
そのため「壊れる」ことがなく半永久的な使用が保証されます。
そうしてドイツでは子から孫へと100年以上使えるフライパンとして生活に根付いてきました。
【公式引用】製造工程 動画
http://www.zakkaworks.com/turk/
タークで肉を焼くと旨いのは「外はカリッと、中はジューシー」になるから
鉄は「熱伝導率=熱が伝わるチカラが低く、熱容量=熱を保つチカラが高い」金属です。
鉄フライパンは一度温めれば全体が均一に熱され、その状態を保持出来る訳です。
※鉄は熱伝導率が高いという意見がありますが、高い低いを比べるには基準が必要です。
フライパンによく使われるアルミや銅は鉄よりも熱伝導率が高いため、ここでは相対的に鉄は熱伝導率が低い、と表現しています。
ちなみに鉄より熱伝導率が低いものにはステンレスがあります。
参考)https://srdk.rakuten.jp/entry/2020/12/24/103000
適切な温度コントロールさえ出来れば、鉄フライパンで焼こうがアルミ製フライパンで焼こうが肉の美味しさは変わりません。
ただ、鉄フライパンのいいところはこの温度コントロールが簡単という部分です。
冷めにくく熱を通しにくいので、食材の外側を焦がさずに中心部分にじっくりと火を通すことができるため、
「外はカリッと焼けているけれど、中はミディアムレアで赤みが残って柔らかく肉汁が溢れ出すジューシー」
な焼き上がりになりやすいのです。
これは野菜にも言えることで、外側は焼けているけれど、野菜の水分を飛ばし切らないため、
シャキッとした食感に焼き上げることが簡単にできます。
焚き火×タークフライパンでステーキを焼いてみた!
論より証拠!実際に焚き火でステーキを焼いた動画をご覧ください。(EASY CAMP youtubeチャンネル)
コチラは朝食の定番、「ベーコンと目玉焼き」
テフロン加工フライパンとの違い
テフロン加工との違いは、「雑に扱ってもOK!一生使える!」に尽きます。
元も子もない…が、ここに行き着きます!
理由も単純明快、テフロン加工フライパンは、
テフロンが剥がれるため「強火NG、ゴシゴシ洗いNG、金属ヘラNG」だからです。
焚き火の温度は約400度、一般家庭ガスコンロは最大温度250度が多いので、焚き火は超強火ということになります。
テフロン加工に使われるフッ素樹脂の耐熱温度は約250度です。
これを超えるとテフロン加工は傷み始め、最悪剥がれます。
そのためテフロン加工フライパンは強火NGという訳です。
また、金属ヘラや金タワシを使うことで、テフロンが剥がれる原因になります。
一方、鉄フライパンは
「強火OK!金属ヘラOK!ゴシゴシ洗っちゃってOK!」
要はめちゃくちゃタフ!
細かいことは気にするな、好きなように焼いて洗え状態!
見た目通りとにかく頑丈なんですね。
キャンプ道具としてはこれ以上ないタフな相棒として一生使い続けられるメリットがあります。
IH対応!簡単お手入れで日常使いもOK!
タークフライパンはIH対応のため普段の料理でも活躍してくれます。
お手入れも簡単!洗剤を使わず、ぬるま湯でサッと洗うだけ。
汚れが気になる時はタワシで洗えば解決です。
魚も肉と同じで、じっくり中に火を通すため、フンワリとした焼き上がりになります。
パンケーキなんかも焼きムラなく綺麗に焼けるので、
一度使うと鉄フライパンの魅力にどっぷりハマる人も多いです。
伝統と歴史の重みをその手に
鉄フライパンを初めて持つと、その重量感に驚くかもしれません。
正直、片手で軽く振ることは難しい重さです。
それでも150年以上に渡って当時と変わらない製法が引き継がれてきたのには訳があります。
それは手入れをしながら使うことでエイジングを楽しむことができること、道具と共に成長できることではないでしょうか。
日本には古来より「物には魂が宿る」という言葉がありますよね。
日本とドイツは仕事への堅実な姿勢が似ていると言われます。
遠く離れた地の職人たちが響かせる鉄を叩く音に思いを馳せながら、
その重みを感じてみるのはいかがでしょうか。